ラットを用いた末梢静脈栄養における脂肪乳剤投与量に関する基礎的研究

目的: 7.5%糖・3%アミノ酸液(AF)を主体とした末梢静脈栄養において, どの程度の20%脂肪乳剤(IL20)を併用すれば栄養効果が改善されるかを検討した. 方法: AF 2000mLあたりIL20を100~500mL添加し, AFL20, 40, 60, 80, 100の被験液を調製した{数字は脂肪量(g)}. 正常または開腹術侵襲ラットに対し, 5日間持続投与した. 糖とアミノ酸の投与量は群間で同一とした. 毎日採尿し, 投与5日目に採血した. 結果: 投与前後の体重変化率と窒素出納は, 脂肪の添加量に応じて改善した. 侵襲ラットの体重変化および術後早期の窒素出納の改善は, AFL40...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 55; no. 6; pp. 255 - 263
Main Authors 原田, 大輔, 中山, 満雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 15.12.2021
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.55.6_255

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Summary:目的: 7.5%糖・3%アミノ酸液(AF)を主体とした末梢静脈栄養において, どの程度の20%脂肪乳剤(IL20)を併用すれば栄養効果が改善されるかを検討した. 方法: AF 2000mLあたりIL20を100~500mL添加し, AFL20, 40, 60, 80, 100の被験液を調製した{数字は脂肪量(g)}. 正常または開腹術侵襲ラットに対し, 5日間持続投与した. 糖とアミノ酸の投与量は群間で同一とした. 毎日採尿し, 投与5日目に採血した. 結果: 投与前後の体重変化率と窒素出納は, 脂肪の添加量に応じて改善した. 侵襲ラットの体重変化および術後早期の窒素出納の改善は, AFL40以上の脂肪添加群でAF群に対し有意であった. 脂肪添加量を増やすと, 血清遊離脂肪酸, 血清総ビリルビン, 一次水分出納の増大, 血小板数の減少を認めた.  結語: AFの1日量 (糖150g,アミノ酸60g) に脂肪40g以上を添加することで栄養効果が改善した.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.55.6_255