気道ステント

「1. はじめに」気道狭窄は患者に耐えがたい苦痛を与え, 時に重篤な病態を引き起こすため, 速やかな処置が必要である. 気管支鏡を用いた治療は, 速やかに気道狭窄を解除でき, 熟練した術者が行えば安全性も高い. 気道ステントは, 気道を拡げるだけでなく, 拡げた気道を保持する機能があり, 気管支鏡を用いたインターベンションの中でも重要な役割を担う. 「2. 目的」気道狭窄に伴う喘鳴や呼吸困難の症状緩和が期待できる. また呼吸状態が不良で, 化学療法, 放射線療法, 外科手術などの治療ができない症例においては, ステントを入れることにより呼吸状態を改善させ, それらの治療につなげるいわば &qu...

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Published in気管支学 Vol. 43; no. 6; pp. 667 - 671
Main Authors 沖, 昌英, 石井, 友里加, 鳥居, 厚志, 山田, 有里紗, 篠原, 由佳, 丹羽, 英之, 小暮, 啓人, 北川, 智余恵, 大濱, 敏弘, 坂, 英雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2021
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:「1. はじめに」気道狭窄は患者に耐えがたい苦痛を与え, 時に重篤な病態を引き起こすため, 速やかな処置が必要である. 気管支鏡を用いた治療は, 速やかに気道狭窄を解除でき, 熟練した術者が行えば安全性も高い. 気道ステントは, 気道を拡げるだけでなく, 拡げた気道を保持する機能があり, 気管支鏡を用いたインターベンションの中でも重要な役割を担う. 「2. 目的」気道狭窄に伴う喘鳴や呼吸困難の症状緩和が期待できる. また呼吸状態が不良で, 化学療法, 放射線療法, 外科手術などの治療ができない症例においては, ステントを入れることにより呼吸状態を改善させ, それらの治療につなげるいわば "橋渡し治療" の役割もある. 瘻孔症例では, 気道ステントを入れることにより, 隣接臓器と気道の分泌液や空気の流れを防止し, 感染症などの瘻孔に伴う合併症を防ぐ. 「3. 適応疾患」「3-1. 悪性気道狭窄」肺がんや食道がんをはじめとする各種悪性腫瘍による気道狭窄が適応となる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.6_667