Le Fort I型骨切り術における翼状突起破折のリスク因子

「緒言」Le Fort I型骨切り術(以下, LF1)はvon Langenbeckが上顎の腫瘍切除の際に用いたのが初めといわれている. 顎変形症にはWassmundが開咬症の治療に応用したのが最初であるが, その際に翼突上顎縫合部の分離は行われてはいなかった. その後, Axhausenらが翼突上顎縫合部の分離に関して初めて報告し, 上顎の移動を容易に行うことが出来る様になったと述べている. それ以降, 翼突上顎縫合部の分離に関してはカーブドオステオトーム(Curved osteotome 以下, CO)が用いられてきた. LF1の合併症には異常出血, 神経損傷があげられる. 異常出血の原因...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 28; no. 4; pp. 245 - 252
Main Authors 小牧, 完二, 金澤, 輝之, 宮地, 斉, 山本, 哲嗣, 藤井, 仁, 下郷, 和雄, 黒柳, 範雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2018
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.28.245

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Summary:「緒言」Le Fort I型骨切り術(以下, LF1)はvon Langenbeckが上顎の腫瘍切除の際に用いたのが初めといわれている. 顎変形症にはWassmundが開咬症の治療に応用したのが最初であるが, その際に翼突上顎縫合部の分離は行われてはいなかった. その後, Axhausenらが翼突上顎縫合部の分離に関して初めて報告し, 上顎の移動を容易に行うことが出来る様になったと述べている. それ以降, 翼突上顎縫合部の分離に関してはカーブドオステオトーム(Curved osteotome 以下, CO)が用いられてきた. LF1の合併症には異常出血, 神経損傷があげられる. 異常出血の原因には翼突上顎縫合部の分離時に同部の周囲骨に異常破折を惹起し, 近接して存在する血管を損傷するために生じる可能性があると言われている. これらの合併症を回避する目的でObwegeserを始めとした数々のCOが開発され用いられてきた.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.28.245