乳房温存術後整容性と満足度に関する患者アンケート調査

背景:乳房温存術後の整容性評価法は,乳房の左右差を客観的に評価するため,患者の主観は評価の対象外となっており,患者満足度を下げている可能性がある.目的:温存術において患者が何を重視しているか調査する.対象と方法:当院通院中の温存術後患者を対象に,日本乳癌学会沢井班の評価法での各項目をどの程度重視するか,手術前後の下着の状況,術後乳房の症状の有無,創の位置や乳房の形で重視する点,満足度について,アンケート調査を行った.結果:沢井班による評価法の各項目はあまり重視されず,術後はブラジャーの着用者数が減少していた.術前後で下着を買い替えた者が52.9%,術後乳房の有症状者は41.2%だった.創の位置...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 2; pp. 246 - 250
Main Authors 岡田, 明子, 村田, 透, 宇野, 雅紀, 竹之内, 靖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2023
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Summary:背景:乳房温存術後の整容性評価法は,乳房の左右差を客観的に評価するため,患者の主観は評価の対象外となっており,患者満足度を下げている可能性がある.目的:温存術において患者が何を重視しているか調査する.対象と方法:当院通院中の温存術後患者を対象に,日本乳癌学会沢井班の評価法での各項目をどの程度重視するか,手術前後の下着の状況,術後乳房の症状の有無,創の位置や乳房の形で重視する点,満足度について,アンケート調査を行った.結果:沢井班による評価法の各項目はあまり重視されず,術後はブラジャーの着用者数が減少していた.術前後で下着を買い替えた者が52.9%,術後乳房の有症状者は41.2%だった.創の位置や乳房の形は「痛みや違和感がなければこだわらない」がそれぞれ54.9%,58.8%だった.術後の乳房に対する満足度は62.7%が満足,やや満足と回答していた.結論:患者満足度を上げるには,患者が見た目だけでなく何を重視するか聴取し,創の位置や乳房形成の方法を術前に話し合うことが重要と考える.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.84.246