内視鏡診断のみで治療に移行したラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍の2例

「目的」ラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍は低悪性度腫瘍とされ, 基本的には切除の対象と考えられているが, その内視鏡診断はしばしば困難であり, ときに過形成性ポリープとの鑑別に難渋することもある. 今回我々は, 詳細な内視鏡観察により病理学的診断を経ずに診断し, 内視鏡切除の適応とした2例を経験したので報告する. 「症例1」患者: 48歳, 男性 主訴: なし 既往歴: アレルギー性紫斑病 家族歴: 特記すべきことなし 嗜好品: 喫煙なし, アルコールなし 現病歴: 健診の上部消化管造影検査にておいて, ポリープを指摘され, 当院を紹介受診した. 上部消化管内視鏡検査所見: 背景粘膜はピロリ菌陰性...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 103; no. 1; pp. 69 - 70
Main Authors 宍戸, 泰紀, 松野, 高久, 小原, 大和, 三浦, 雅史, 田中, 潤治, 鈴木, 雄太, 原, 精一, 佐藤, 真司, 馬場, 毅, 中野, 茂, 赤坂, 喜清, 松田, 尚久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 22.12.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「目的」ラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍は低悪性度腫瘍とされ, 基本的には切除の対象と考えられているが, その内視鏡診断はしばしば困難であり, ときに過形成性ポリープとの鑑別に難渋することもある. 今回我々は, 詳細な内視鏡観察により病理学的診断を経ずに診断し, 内視鏡切除の適応とした2例を経験したので報告する. 「症例1」患者: 48歳, 男性 主訴: なし 既往歴: アレルギー性紫斑病 家族歴: 特記すべきことなし 嗜好品: 喫煙なし, アルコールなし 現病歴: 健診の上部消化管造影検査にておいて, ポリープを指摘され, 当院を紹介受診した. 上部消化管内視鏡検査所見: 背景粘膜はピロリ菌陰性の胃粘膜所見であった. 胃体上部大弯前壁よりに約6mm大の発赤調小隆起を認めた. 通常観察では発赤したくびれのある小隆起で, 近接では表面顆粒状を呈した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.103.1_69