脈絡叢処理で髄液産生を減ずることによりシャント術を完遂し得た難治性シャント機能不全の2例

小児における水頭症では長期にわたる管理が必要となり,経過中の合併症や成長に伴う変化がその後の治療方針を左右する場合も多い.今回,治療難渋例において脈絡叢処理による髄液量管理が治療成功の鍵となった症例を経験した.症例1は出血後水頭症の12歳女児で,高度腹腔内癒着が相対的髄液過多を惹起した.2回のCPR後,最終的に脳室胸腔シャント留置となった.症例2はDandy-Walker症候群の7か月女児で,1日500~600 mlの髄液排出があり,2回のCPCで髄液量が減少した後シャント再建が可能であった.それぞれの治療経過とともに脈絡叢処理の意義について考察する....

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Bibliographic Details
Published in小児の脳神経 Vol. 46; no. 4; pp. 303 - 309
Main Authors 水谷, 高輔, 長倉, 正宗, 加藤, 美穂子, 近藤, 正規, 白石, 大門
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2021
日本小児神経外科学会
Subjects
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.46.4_303

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Summary:小児における水頭症では長期にわたる管理が必要となり,経過中の合併症や成長に伴う変化がその後の治療方針を左右する場合も多い.今回,治療難渋例において脈絡叢処理による髄液量管理が治療成功の鍵となった症例を経験した.症例1は出血後水頭症の12歳女児で,高度腹腔内癒着が相対的髄液過多を惹起した.2回のCPR後,最終的に脳室胸腔シャント留置となった.症例2はDandy-Walker症候群の7か月女児で,1日500~600 mlの髄液排出があり,2回のCPCで髄液量が減少した後シャント再建が可能であった.それぞれの治療経過とともに脈絡叢処理の意義について考察する.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.46.4_303