大気中揮発性メチルシロキサン類分析法の開発と環境モニタリングへの適用

揮発性メチルシロキサン(volatile methylsiloxanes, VMS)の大気中濃度を測定するため,そのサンプリング法,使用機材のヘキサン溶出試験,試料処理法,ガスクロマトグラフ/質量分析計(gas chromatograph/mass spectrometer, GC/MS)分析条件を検討した.サンプリングは,固相カートリッジとミニポンプを用いる簡便な方法を確立した.GC/MS分析は,プレスフィット型インレットライナーを用いることでピーク形状を改善し,VMS分析の高感度化を達成した.確立した分析法を用いて,埼玉県加須市における通年観測を実施し,当該物質の大気中濃度分布を国内で初め...

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Published inBunseki kagaku Vol. 67; no. 6; pp. 313 - 322
Main Authors 蓑毛, 康太郎, 堀井, 勇一, 山下, 信義, 大塚, 宜寿, 竹峰, 秀祐, 茂木, 守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 公益社団法人 日本分析化学会 05.06.2018
Japan Science and Technology Agency
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Summary:揮発性メチルシロキサン(volatile methylsiloxanes, VMS)の大気中濃度を測定するため,そのサンプリング法,使用機材のヘキサン溶出試験,試料処理法,ガスクロマトグラフ/質量分析計(gas chromatograph/mass spectrometer, GC/MS)分析条件を検討した.サンプリングは,固相カートリッジとミニポンプを用いる簡便な方法を確立した.GC/MS分析は,プレスフィット型インレットライナーを用いることでピーク形状を改善し,VMS分析の高感度化を達成した.確立した分析法を用いて,埼玉県加須市における通年観測を実施し,当該物質の大気中濃度分布を国内で初めて明らかにした.そのVMS総濃度の年平均値は332 ng m−3であり,諸外国の環境大気濃度の範囲内と示された.通年観測から得られたVMS総濃度は63〜1150 ng m−3と広範囲を示した.これは季節的な気象変化によるものではなく,対象化合物中で最も濃度組成の高いオクタメチルシクロテトラシロキサンの日間濃度変動が大きく寄与しているものと示された.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.67.313