原発巣の自然退縮が判明したリンパ節転移陽性食道扁平上皮癌の一例
「緒言」癌の自然退縮は, 「無治療あるいは癌の増殖に影響を及ぼすと考えられる治療を受けていない状態で部分的あるいは完全に腫瘍が消失すること」と定義される. 本報告では, 食道切除術を受けた患者において, 術後病理診断の結果原発巣の自然退縮が判明した食道扁平上皮癌の症例を報告する. 癌の自然退縮の背景にあるメカニズムを理解することは, 腫瘍の成長に影響を与える因子についての知見を得られる可能性がある. 「症例」症例: 80歳代, 女性. 主訴: なし 既往歴: ピロリ菌二次除菌後(詳細不明), 虫垂炎術後, 白内障 現病歴: 前医で施行された除菌後フォロー目的の上部消化管内視鏡検査(EGD)で胸...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 101; no. 1; pp. 35 - 38 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
09.12.2022
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.101.1_35 |
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Summary: | 「緒言」癌の自然退縮は, 「無治療あるいは癌の増殖に影響を及ぼすと考えられる治療を受けていない状態で部分的あるいは完全に腫瘍が消失すること」と定義される. 本報告では, 食道切除術を受けた患者において, 術後病理診断の結果原発巣の自然退縮が判明した食道扁平上皮癌の症例を報告する. 癌の自然退縮の背景にあるメカニズムを理解することは, 腫瘍の成長に影響を与える因子についての知見を得られる可能性がある. 「症例」症例: 80歳代, 女性. 主訴: なし 既往歴: ピロリ菌二次除菌後(詳細不明), 虫垂炎術後, 白内障 現病歴: 前医で施行された除菌後フォロー目的の上部消化管内視鏡検査(EGD)で胸部食道に隆起性病変を認め, 生検で扁平上皮癌と診断された. 精査加療目的に当院紹介となった. 前医での検査から3週間後に当院において施行したEGDでは前医の画像と比較し原発巣の縮小を認め, 腫瘍本体からの生検病理でも明らかな悪性細胞は認められなかった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.101.1_35 |