虫垂子宮内膜症による完全型虫垂重積の一例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 101; no. 1; pp. 64 - 66
• Main Authors: 新行内, 綾子, 芳賀, 祐規, 杉浦, 信之, 齊藤, 正明, 伊藤, 健治, 大金, 良槻, 里見, 大介, 宮村, 達雄, 阿部, 朝美, 金田, 暁, 多田, 稔, 尾﨑, 友美, 西村, 光司
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 09.12.2022; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 完全型虫垂重積; 虫垂子宮内膜症
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.101.1_64

「序文」虫垂重積は内視鏡検査にて盲腸の隆起性病変として確認されるが, 粘膜下腫瘍などとの鑑別が困難である. 今回, 便潜血検査陽性を契機に発見された虫垂子宮内膜症による完全型虫垂重積の一例を経験したので報告する. 「症例」患者: 48歳, 女性. 主訴: なし. 既往歴: なし. 常用薬: なし. 現病歴: 便潜血陽性を契機に前医にて下部消化管内視鏡検査(CS)を施行され, 盲腸粘膜下腫瘍が疑われたため当院を受診した. RBC 457万/μL, Hb 12.4g/dLと貧血はなく, CEA 2.4ng/mL, CA19-9 5.9U/mLと腫瘍マーカーの上昇は認めなかった. CSを再検したところ, 盲腸内腔に立ち上がりの急峻な隆起性病変を認めたが, 表面の拡大観察はI型pit patternで正常粘膜と考えられた. 並行して施行した超音波内視鏡検査では第4層に連続して均一な低エコー域を認めた.