脳梗塞の遺伝的危険因子
「はじめに」全世界規模で進行したヒトゲノムのシークエンスの過程で, 多くの遺伝子多型が見出されている. これらの中には, 様々な疾患原因遺伝子疾患感受性遺伝子が存在する可能性がある. 当然のことながら, 脳梗塞という疾患の原因感受性遺伝子も存在するかもしれない. 脳梗塞の発症には多因子の関与が知られている. この多因子は大きく後天的要因と遺伝的要因に分けられる. 遺伝的要因としては年齢性別人種家族歴高血圧糖尿病鎌状赤血球症高脂血症肥満高ホモシステイン血症過凝固状態などの要素が挙げられる. そして, 生活習慣による修飾が加わり, 一部は危険因子と称されている. これらの要因が影響を及ぼす舞台では...
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Published in | 脳卒中 Vol. 27; no. 4; pp. 585 - 589 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2005
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.27.585 |
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Summary: | 「はじめに」全世界規模で進行したヒトゲノムのシークエンスの過程で, 多くの遺伝子多型が見出されている. これらの中には, 様々な疾患原因遺伝子疾患感受性遺伝子が存在する可能性がある. 当然のことながら, 脳梗塞という疾患の原因感受性遺伝子も存在するかもしれない. 脳梗塞の発症には多因子の関与が知られている. この多因子は大きく後天的要因と遺伝的要因に分けられる. 遺伝的要因としては年齢性別人種家族歴高血圧糖尿病鎌状赤血球症高脂血症肥満高ホモシステイン血症過凝固状態などの要素が挙げられる. そして, 生活習慣による修飾が加わり, 一部は危険因子と称されている. これらの要因が影響を及ぼす舞台では, 局所での炎症反応を含めた動脈硬化の進展血液凝固系の活動の亢進白血球内皮細胞の機能異常などの生命現象が織り成されている. 以上のような動脈硬化血液凝固系白血球内皮細胞などに関与すると考えられる各遺伝子の多型が, 脳梗塞発症へと関係してゆくのかどうかを, ケースコントロール研究で解析検討する. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.27.585 |