家庭での減塩食の継続を目的とした健康教室の効果

本研究は,家庭での調理担当者を対象に,減塩食の継続を目的とした講義・調理実習・グループ討議を取り入れた健康教室を実施し,健康教室の効果を参加者が語った内容から明らかにすることを目的に行なった。研究方法は,健康教室全3回を3か月間で実施し,研究協力に同意を得た9名に健康教室開始から5~6か月後に半構造的にインタビューを行なった。分析は,参加者が語った内容から減塩食について健康教室後から開始し実践継続していることと,減塩食を継続している理由を抽出し,類似する意味内容でカテゴリー化することで行なった。  結果,減塩食について健康教室後から開始し実践・継続していることは,<薄味でもおいしい調理の工夫>...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 67; no. 5; pp. 603 - 609
Main Authors 小林, 綾子, 松倉, 久枝, 飯田, 智恵, 坂田, 智佳子, 山田, 正実, 武田, 織枝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2019
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.67.603

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Summary:本研究は,家庭での調理担当者を対象に,減塩食の継続を目的とした講義・調理実習・グループ討議を取り入れた健康教室を実施し,健康教室の効果を参加者が語った内容から明らかにすることを目的に行なった。研究方法は,健康教室全3回を3か月間で実施し,研究協力に同意を得た9名に健康教室開始から5~6か月後に半構造的にインタビューを行なった。分析は,参加者が語った内容から減塩食について健康教室後から開始し実践継続していることと,減塩食を継続している理由を抽出し,類似する意味内容でカテゴリー化することで行なった。  結果,減塩食について健康教室後から開始し実践・継続していることは,<薄味でもおいしい調理の工夫><塩分量を確認する><塩分量の多いものは量を考えて控える><減塩調理はとにかく続けている>であった。減塩食を継続している理由は<健康でいたいから><減塩の調理方法,食べ方がわかったから><塩分量を知る方法がわかったから><減塩調理は難しくないことがわかったから><薄味でもおいしいから><減塩の成果を実感できたから>であった。参加者が健康教室で減塩調理は難しくないことや塩分濃度などの数値で塩分量を知る方法を学んだことは,家庭で減塩食を実践・継続するために効果的であった。また,参加者が減塩でも塩分を感じられるようになるまでの期間,減塩食に関する継続的な支援が重要であると示唆された。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.67.603