ラズベリー様腺窩型胃腫瘍をEMR-LとESDにより治療した3例

「緒言」萎縮のない胃底腺粘膜に生じる鮮紅色の隆起性病変では, 病理学的に腺窩型上皮への分化が最も多いことが知られており, その見た目からしばしばラズベリー様腺窩型胃腫瘍と呼ばれている. ラズベリー様腺窩型胃腫瘍の内視鏡診断は報告があるが, その治療について検討した文献は少ない. 今回はラズベリー様腺窩型胃腫瘍に対して内視鏡治療を行った3例を経験したので報告する. 「症例」症例1は74歳男性で, 当院で毎年上部消化管内視鏡検査を受けていた. 白色光観察で背景粘膜に萎縮は認めず, 胃体上部大弯に発赤調3mm大の0-IIa病変を認めた. 後方視的にみると3年前から同所見は認めており, サイズに変化は...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 103; no. 1; pp. 83 - 85
Main Authors 石田, 慎, 山本, 晴二郎, 笠原, 美沙, 吉田, 康祐, 福原, 誠一郎, 荒金, 直美, 東條, 誠也, 宮永, 亮一, 鈴木, 麻耶, 渡邉, 多代, 関, 彩千子, 松永, 崇宏, 加藤, 元彦, 玉川, 空樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 22.12.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.103.1_83

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Summary:「緒言」萎縮のない胃底腺粘膜に生じる鮮紅色の隆起性病変では, 病理学的に腺窩型上皮への分化が最も多いことが知られており, その見た目からしばしばラズベリー様腺窩型胃腫瘍と呼ばれている. ラズベリー様腺窩型胃腫瘍の内視鏡診断は報告があるが, その治療について検討した文献は少ない. 今回はラズベリー様腺窩型胃腫瘍に対して内視鏡治療を行った3例を経験したので報告する. 「症例」症例1は74歳男性で, 当院で毎年上部消化管内視鏡検査を受けていた. 白色光観察で背景粘膜に萎縮は認めず, 胃体上部大弯に発赤調3mm大の0-IIa病変を認めた. 後方視的にみると3年前から同所見は認めており, サイズに変化はなかった. NBI拡大観察では脳回様構造を認め, 内視鏡診断としてラズベリー様腺窩型胃腫瘍を強く疑い生検を行った.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.103.1_83