総胆管カニュレーションに難渋した胆囊管低位合流の1例
「はじめに」 胆嚢管低位合流は, 胆嚢管が膵上縁から十二指腸壁を貫通するまでの下部胆管に合流する走行異常と定義されている1). 今回我々は, 胆嚢管低位合流により総胆管カニュレーションが困難であった1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:81歳, 男性. 主訴:右側腹部痛. 既往歴:高血圧, 糖尿病, 尿路結石. 現病歴:2012年11月中旬, 右側腹部痛を主訴に近医を受診した. 内服加療を受けたが嘔吐が出現したため, 再度近医を受診した. 血液検査により黄疸が認められ, 当院を紹介受診した. 入院時現症:身長156cm, 体重53kg, 体温36.8℃, 脈拍70回/分・整, 血圧11...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 83; no. 1; pp. 202 - 203 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
14.12.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.83.1_202 |
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Summary: | 「はじめに」 胆嚢管低位合流は, 胆嚢管が膵上縁から十二指腸壁を貫通するまでの下部胆管に合流する走行異常と定義されている1). 今回我々は, 胆嚢管低位合流により総胆管カニュレーションが困難であった1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:81歳, 男性. 主訴:右側腹部痛. 既往歴:高血圧, 糖尿病, 尿路結石. 現病歴:2012年11月中旬, 右側腹部痛を主訴に近医を受診した. 内服加療を受けたが嘔吐が出現したため, 再度近医を受診した. 血液検査により黄疸が認められ, 当院を紹介受診した. 入院時現症:身長156cm, 体重53kg, 体温36.8℃, 脈拍70回/分・整, 血圧110/66mmHg. 意識清明. 眼瞼結膜に貧血なし. 眼球結膜に黄染あり. 胸部異常所見なし. 腹部は平坦・軟. 圧痛, 腹膜刺激症状なし. 入院時検査所見:血清ビリルビン, 肝胆道系酵素とともに炎症反応の上昇が認められた(Table 1). 臨床経過:理学所見, 血液検査所見, 腹部CT所見より総胆管結石による急性胆管炎と診断した. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.83.1_202 |