オクトレオチドの有効性が示唆された蛋白漏出性腸症合併重症潰瘍性大腸炎の1例
UCの経過中に低アルブミン血症が遷延し, 99mTc蛋白漏出シンチグラフィーにて蛋白漏出性腸症と診断した1例である. 難治性下痢に対しオクトレオチド100μg皮下注の連日投与を開始したところ, 血清アルブミン値の改善を認めた. 本症例では, 蛋白漏出性腸症を合併した難治性UCに対する下痢と低アルブミン血症の改善にオクトレオチドが有効である可能性が示唆された. 症例 患者:38歳, 男性. 主訴:腹痛, 粘血便. 既往歴, 生活歴:特記すべきものなし. 家族歴:父 大腸癌. 現病歴:1989年発症の全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下, UC)で, 他院にてサラゾピリン1.5g/day内服で緩解を維持...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 67; no. 2; pp. 120 - 121 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2005
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.67.2_120 |
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Summary: | UCの経過中に低アルブミン血症が遷延し, 99mTc蛋白漏出シンチグラフィーにて蛋白漏出性腸症と診断した1例である. 難治性下痢に対しオクトレオチド100μg皮下注の連日投与を開始したところ, 血清アルブミン値の改善を認めた. 本症例では, 蛋白漏出性腸症を合併した難治性UCに対する下痢と低アルブミン血症の改善にオクトレオチドが有効である可能性が示唆された. 症例 患者:38歳, 男性. 主訴:腹痛, 粘血便. 既往歴, 生活歴:特記すべきものなし. 家族歴:父 大腸癌. 現病歴:1989年発症の全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下, UC)で, 他院にてサラゾピリン1.5g/day内服で緩解を維持. 2003年末に再燃し, プレドニン注腸及びサラゾピリン4.5g/dayにて軽快したが, 2004年4月末より再燃し(CAI:Clinical activity index 16点), 5月当院紹介入院となった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.67.2_120 |