誤飲した爪楊枝により右季肋部痛が持続した十二指腸異物の1例
「はじめに」 急性腹症とは突然生じた激痛を主な特徴とする腹部の急性疾患の総称であり, 早急にその治療方針を決定する必要がある疾患群を示す. その原因疾患は多岐に渡り, 確定診断が困難なことが多い. 経時的変化を細かく観察し, 外科的処置が必要となる場合速やかに対処すべきである. 今回我々は, 急性腹症の鑑別診断に消化管異物を考慮すべき症例に遭遇し, 内視鏡による異物除去および保存的治療で治癒しえた症例を経験したので報告する. 「症例」 症例:55歳, 男性. 主訴:右季肋部痛. 既往歴:C型慢性肝炎, 糖尿病. 家族歴:父:急性心筋梗塞, 母:C型慢性肝炎. 現病歴:入院2週間前に微熱と右季肋...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 80; no. 2; pp. 112 - 113 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
10.06.2012
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.80.2_112 |
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Summary: | 「はじめに」 急性腹症とは突然生じた激痛を主な特徴とする腹部の急性疾患の総称であり, 早急にその治療方針を決定する必要がある疾患群を示す. その原因疾患は多岐に渡り, 確定診断が困難なことが多い. 経時的変化を細かく観察し, 外科的処置が必要となる場合速やかに対処すべきである. 今回我々は, 急性腹症の鑑別診断に消化管異物を考慮すべき症例に遭遇し, 内視鏡による異物除去および保存的治療で治癒しえた症例を経験したので報告する. 「症例」 症例:55歳, 男性. 主訴:右季肋部痛. 既往歴:C型慢性肝炎, 糖尿病. 家族歴:父:急性心筋梗塞, 母:C型慢性肝炎. 現病歴:入院2週間前に微熱と右季肋部痛を主訴に近医を受診した. 鎮痛剤を処方され一時症状軽快するも, 入院3日前に再度右季肋部痛を自覚したために当院受診した. 腹痛出現と食事摂取との相関はなかった. 受診時の腹部CT(Fig. 1)で十二指腸壁の肥厚を認め, 腹部に筋性防御と腹膜刺激徴候を認めたため, 急性十二指腸炎の診断で同日入院となった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.80.2_112 |