上下顎水平骨延長術により狭窄歯列の改善を行った後にLe Fort Ⅰ型骨切り術と下顎枝矢状分割術を行った下顎後退症の1例

「緒言」上下顎骨の大きさや位置の不調和に起因する骨格性の不正咬合は, 形態的のみならず, 機能的・美的な問題を有することがある. これら患者の不正咬合を矯正歯科治療のみで改善することは困難であり, 外科的矯正治療が選択されることが多い. さらに, 近年の医療技術の進歩や術式の多様化に伴い, 外科的矯正治療の適用範囲は広がりつつある. その一つとして, 歯列の狭窄に対して外科処置を併用して上下顎骨の急速拡大を行う水平骨延長法が選択されることがある. 下顎前突症に対し上顎骨のみ水平骨延長術を行った報告は多数みられるが, 下顎後退症であり, さらに上下顎骨ともに水平骨延長術を施行した報告は未だ少ない...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 28; no. 1; pp. 42 - 51
Main Authors 吉川, 仁育, 富永, 薫, 富永, 憲俊, 古谷, 昌裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2018
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.28.42

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Summary:「緒言」上下顎骨の大きさや位置の不調和に起因する骨格性の不正咬合は, 形態的のみならず, 機能的・美的な問題を有することがある. これら患者の不正咬合を矯正歯科治療のみで改善することは困難であり, 外科的矯正治療が選択されることが多い. さらに, 近年の医療技術の進歩や術式の多様化に伴い, 外科的矯正治療の適用範囲は広がりつつある. その一つとして, 歯列の狭窄に対して外科処置を併用して上下顎骨の急速拡大を行う水平骨延長法が選択されることがある. 下顎前突症に対し上顎骨のみ水平骨延長術を行った報告は多数みられるが, 下顎後退症であり, さらに上下顎骨ともに水平骨延長術を施行した報告は未だ少ない. 今回, ガミースマイルおよび歯列の狭窄を伴う骨格性の下顎後退患者に, 水平骨延長法を用いて上下顎骨を側方拡大した後, Le Fort I型骨切り術および下顎枝矢状分割法を用いた外科的矯正治療を適用し, 形態的および美的不調和に対する良好な結果が得られたので報告する.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.28.42