Bartter症候群患者における口腔外科手術の周術期管理を行った1例

「緒言」Bartter症候群は, 高血圧や浮腫がないにも関らず, レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の亢進を認めることが特徴であり, 臨床的には特に低カリウム血症を呈することでよく知られている1,2). しかし, 本症候群の発生率は100万人あたり1.2~1.7人3)とまれな疾患であり, これまでに本症候群を有する患者の口腔外科手術に関する報告はみられない. 本報告では, Bartter症候群を有する患者の口腔外科手術とその周術期管理について概要を報告する. 「症例」患者:16歳, 女子. 初診:2005年5月X日. 主訴:下顎前突 現病歴:2004年10月顎関節部の痛みのため某歯科を...

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Published in小児口腔外科 Vol. 20; no. 1; pp. 58 - 64
Main Authors 坂下, 英明, 鏑木, 正秋, 渡邊, 容子, 重松, 久夫, 馬越, 誠之, 長谷川, 彰彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 2010
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms.20.58

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Summary:「緒言」Bartter症候群は, 高血圧や浮腫がないにも関らず, レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の亢進を認めることが特徴であり, 臨床的には特に低カリウム血症を呈することでよく知られている1,2). しかし, 本症候群の発生率は100万人あたり1.2~1.7人3)とまれな疾患であり, これまでに本症候群を有する患者の口腔外科手術に関する報告はみられない. 本報告では, Bartter症候群を有する患者の口腔外科手術とその周術期管理について概要を報告する. 「症例」患者:16歳, 女子. 初診:2005年5月X日. 主訴:下顎前突 現病歴:2004年10月顎関節部の痛みのため某歯科を受診. 顎関節症の治療の後, 同歯科にて咬合不全を指摘され, 本学矯正歯科を紹介され受診した. 既往歴:生後2か月時に体重増加不良のため某小児病院内分泌代謝科にて検査の結果, 低カリウム血症(2.4~3.1mEq/l), 代謝性アルカローシス(HCO3 37.2mmol/l)が認められたことから, Bartter症候群と診断され治療を受けていた.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms.20.58