大腸内視鏡検査前処置が誘因と考えられた虚血性腸炎の1例

「はじめに」虚血性腸炎は日常診療で遭遇することが少なくない疾患である. しかし, 大腸内視鏡検査前処置が誘因となることは稀である. 今回我々は過去2回同様の前処置で大腸内視鏡検査を問題なく施行している症例において, 前処置が誘因と考えられた虚血性腸炎の1例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 64歳, 女性. 「主訴」: 便秘. 「既往歴」: 48歳時うつ病(炭酸リチウム, スルピリド, ロフラゼプ酸エチル内服中). 56歳時高血圧症(バルサルタン内服中). 61歳時, 63歳時内視鏡的大腸ポリープ切除. 「現病歴」: X-1日, 大腸内視鏡検査のため就寝前にピコスルファートナトリウム...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 92; no. 1; pp. 134 - 135
Main Authors 草野, 昌男, 駒沢, 大輔, 高橋, 成一, 土佐, 正規, 池谷, 伸一, 池田, 智之, 中山, 晴夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 15.06.2018
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.92.1_134

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Summary:「はじめに」虚血性腸炎は日常診療で遭遇することが少なくない疾患である. しかし, 大腸内視鏡検査前処置が誘因となることは稀である. 今回我々は過去2回同様の前処置で大腸内視鏡検査を問題なく施行している症例において, 前処置が誘因と考えられた虚血性腸炎の1例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 64歳, 女性. 「主訴」: 便秘. 「既往歴」: 48歳時うつ病(炭酸リチウム, スルピリド, ロフラゼプ酸エチル内服中). 56歳時高血圧症(バルサルタン内服中). 61歳時, 63歳時内視鏡的大腸ポリープ切除. 「現病歴」: X-1日, 大腸内視鏡検査のため就寝前にピコスルファートナトリウム水和物10mlを内服, X日午前10時から塩化ナトリウム, 塩化カリウム, 炭酸水素ナトリウム配合液2,000mlを2時間かけて内服, 14時30分ごろに硬便が2回あったが, その後排便, 排ガスがないため当院外来を受診した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.92.1_134