中年女性におけるBMIと心拍変動の関係について ―エルゴメーター負荷を用いた短時間測定法による心拍変動の解析

BMI基準でやせ,普通,肥満の3群に分け,45–55歳の中年女性135名の血液検査を群間で比較し,エルゴメーター運動負荷の前・中・後3時点における心拍変動を比較検討した。基本属性では体重,最高血圧の2項目で3群間に有意差を認め,肥満群が最も高くやせ群が最も低い値を示した。心拍変動では,安静時及び運動最大負荷時は有意差を認めず,運動負荷終了後はCVRR,SDNN,LF,HFの4項目で肥満群が他の2群より有意に値が高く,逆にやせ群は有意に低く,特に低い値を示したのはLFであった。血液検査ではWBC,Hb,HDL,F-T4の4項目で3群間に有意な差を認め,WBC,Hbはやせ群が有意に低く,HDLは肥...

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Published in自律神経 Vol. 57; no. 2; pp. 144 - 150
Main Authors 奥田, 博之, 後藤, 由佳, 中塚, 幹也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本自律神経学会 2020
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ISSN0288-9250
2434-7035
DOI10.32272/ans.57.2_144

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Summary:BMI基準でやせ,普通,肥満の3群に分け,45–55歳の中年女性135名の血液検査を群間で比較し,エルゴメーター運動負荷の前・中・後3時点における心拍変動を比較検討した。基本属性では体重,最高血圧の2項目で3群間に有意差を認め,肥満群が最も高くやせ群が最も低い値を示した。心拍変動では,安静時及び運動最大負荷時は有意差を認めず,運動負荷終了後はCVRR,SDNN,LF,HFの4項目で肥満群が他の2群より有意に値が高く,逆にやせ群は有意に低く,特に低い値を示したのはLFであった。血液検査ではWBC,Hb,HDL,F-T4の4項目で3群間に有意な差を認め,WBC,Hbはやせ群が有意に低く,HDLは肥満群が低く,F-T4はやせ群が高かった。BMI18.5未満のやせ群では,肥満群に比べ運動負荷終了後の心拍変動が低く,背景にヘモグロビン値が明らかに低い事が示唆された。
ISSN:0288-9250
2434-7035
DOI:10.32272/ans.57.2_144