鼓室硬化症の病態と手術成績
昭和59年から平成3年までの8年間に手術で確認された鼓室硬化症59例, 59耳 (初回手術例) について検討した. 男女比は1: 1.8で女性に多かった. 鼓膜の石灰化は79.7%に見られ, 緊張部上部に多く鼓膜弛緩部にはなかった. 鼓室内の石灰化はツチ骨周辺に最も多く, 次いで上鼓室, キヌタ骨周辺であった. 単純穿孔性中耳炎38例, 中耳真珠腫8例, 癒着性中耳炎4例の合併が認められた. 術前聴力は, 感音難聴を伴う低音障害型が多かった. 旧臨床耳科学会判定規準により47例 (79.7%) が成功であり, 積極的にキヌタ骨を摘出して石灰化除去し, III型変法とするべきと考えた....
Saved in:
Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 98; no. 4; pp. 606 - 612,755 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.04.1995
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.98.606 |
Cover
Summary: | 昭和59年から平成3年までの8年間に手術で確認された鼓室硬化症59例, 59耳 (初回手術例) について検討した. 男女比は1: 1.8で女性に多かった. 鼓膜の石灰化は79.7%に見られ, 緊張部上部に多く鼓膜弛緩部にはなかった. 鼓室内の石灰化はツチ骨周辺に最も多く, 次いで上鼓室, キヌタ骨周辺であった. 単純穿孔性中耳炎38例, 中耳真珠腫8例, 癒着性中耳炎4例の合併が認められた. 術前聴力は, 感音難聴を伴う低音障害型が多かった. 旧臨床耳科学会判定規準により47例 (79.7%) が成功であり, 積極的にキヌタ骨を摘出して石灰化除去し, III型変法とするべきと考えた. |
---|---|
ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.98.606 |