大腸内視鏡にて止血し得た前立腺生検後出血

「症例」 患者:75歳, 男性. 主訴:新鮮血便. 既往歴:慢性気管支炎, 高血圧, 白内障. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:2年前より頻尿を自覚していたが自己放置していた. 頻尿が悪化したため近医より当院泌尿器科を紹介され, PSA値6.19ng/mlと高値のため前立腺癌を疑い, 経直腸的前立腺生検施行となった. 経過:入院後, 手術室にて全身麻酔下に超音波ガイド下経直腸的前立腺生検を9カ所施行した. 病棟帰室90分後より新鮮血便を認め, 収縮期血圧70mmHgまで低下したため出血性ショックと診断し, dopamine持続静注を開始した. Thrombin 1万単位を肛門内散布し, タンポ...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 194 - 195
Main Authors 冨田, 剛志, 栗原, 雄司, 田中, 政有, 柴野, 成幸, 酒井, 欣男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「症例」 患者:75歳, 男性. 主訴:新鮮血便. 既往歴:慢性気管支炎, 高血圧, 白内障. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:2年前より頻尿を自覚していたが自己放置していた. 頻尿が悪化したため近医より当院泌尿器科を紹介され, PSA値6.19ng/mlと高値のため前立腺癌を疑い, 経直腸的前立腺生検施行となった. 経過:入院後, 手術室にて全身麻酔下に超音波ガイド下経直腸的前立腺生検を9カ所施行した. 病棟帰室90分後より新鮮血便を認め, 収縮期血圧70mmHgまで低下したため出血性ショックと診断し, dopamine持続静注を開始した. Thrombin 1万単位を肛門内散布し, タンポンによる圧迫止血および用手圧迫止血を試みるも計600mlの出血を認めHbも11.6g/dlと低下していたため, 止血困難と判断され精査・加療目的にて当科紹介となった. 転科後に大腸内視鏡検査を施行した. 直腸前壁9時~11時の方向にかけてポリープ様の隆起病変を認めた(Color 1).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.82.1_194