過去11年間に当院で経験した大腸カルチノイド腫瘍の検討

「はじめに」 カルチノイド腫瘍は消化管に好発する神経内分泌腫瘍で, 日常の消化器内視鏡検査において稀に遭遇する疾患の1つである. 当院では2004~2014年の11年間に, 計35例の大腸カルチノイド症例を経験したので, その症例について分析, 検討を行った. 「対象および結果」 2004~2014年までの11年間に当院の下部消化管内視鏡検査で大腸カルチノイドと診断された症例は35例であった. 全例が直腸症例(直腸Rs 1例, Ra 5例, Rb 29例)であり, そのうち32例に内視鏡的切除術を施行した. 1年で平均3.4症例が発見されており, 下部消化管内視鏡検査(年間平均4,918件)で...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 85; no. 1; pp. 62 - 63
Main Authors 小田, 慶太郎, 紫藤, 和久, 池田, 廉, 望月, 智行, 山下, 啓史, 藤野, 幸夫, 八田, 朋子, 浅野, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 06.12.2014
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.85.1_62

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Summary:「はじめに」 カルチノイド腫瘍は消化管に好発する神経内分泌腫瘍で, 日常の消化器内視鏡検査において稀に遭遇する疾患の1つである. 当院では2004~2014年の11年間に, 計35例の大腸カルチノイド症例を経験したので, その症例について分析, 検討を行った. 「対象および結果」 2004~2014年までの11年間に当院の下部消化管内視鏡検査で大腸カルチノイドと診断された症例は35例であった. 全例が直腸症例(直腸Rs 1例, Ra 5例, Rb 29例)であり, そのうち32例に内視鏡的切除術を施行した. 1年で平均3.4症例が発見されており, 下部消化管内視鏡検査(年間平均4,918件)での発見頻度は0.7%であった. 35例の内訳を見ると, 年齢中央値は62歳で, 男女比は男性22:女性13であり, 63%が無症状であった. なお外来での内視鏡検査の生検でカルチノイド腫瘍を検出できたのは80%であった. 異時・同時性に病変を認めたのは1例のみで, 上部消化管にもカルチノイドを認める症例はなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.85.1_62