EUS下経胃的穿刺ドレナージ術が有用であったspontaneous bilomaの1例
「症例」 患者:50代, 女性. 主訴:黄疸. 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2010年嘔吐を主訴に受診した. 精査にて十二指腸浸潤および肝転移を伴う進行膵頭部癌と診断され, 十二指腸浸潤狭窄に対し胃空腸吻合が施行された. その後gemcitabineによる全身化学療法が開始されたが, 下部胆管浸潤に伴う閉塞性黄疸が出現し, 肝右葉より経皮的に金属ステントを留置した. 引き続き化学療法による治療を継続したが, 9カ月後に黄疸の再燃を認め精査加療目的で再入院とした. 入院時検査所見では軽度の炎症反応と黄疸, 肝胆道系酵素上昇を認めた. 腹部CT検査にて肝門部に転移性肝腫瘍の増大を...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 80; no. 2; pp. 96 - 97 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
10.06.2012
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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Summary: | 「症例」 患者:50代, 女性. 主訴:黄疸. 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:2010年嘔吐を主訴に受診した. 精査にて十二指腸浸潤および肝転移を伴う進行膵頭部癌と診断され, 十二指腸浸潤狭窄に対し胃空腸吻合が施行された. その後gemcitabineによる全身化学療法が開始されたが, 下部胆管浸潤に伴う閉塞性黄疸が出現し, 肝右葉より経皮的に金属ステントを留置した. 引き続き化学療法による治療を継続したが, 9カ月後に黄疸の再燃を認め精査加療目的で再入院とした. 入院時検査所見では軽度の炎症反応と黄疸, 肝胆道系酵素上昇を認めた. 腹部CT検査にて肝門部に転移性肝腫瘍の増大を認め, 外側区肝内胆管の拡張を認めた. また肝外側・内側区下面には最大長径50mm大の嚢胞性病変を認めた(Fig. 1-a, b). 減黄目的で拡張胆管へPTBDチューブを留置し, PTBDからの造影で嚢胞性病変との交通が確認され, 胆管閉塞に伴うspontaneous bilomaと診断した(Fig. 2-a, b). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.80.2_96 |