透析患者に発症した好酸球性結腸炎の1例

「和文要旨」症例は62歳, 男性, 維持透析中. 脳梗塞のため当院転院後, 透析中に毎回血圧が低下した. 好酸球数の著増を伴っていたことより, 透析機器に起因するアレルギー反応が疑われた. 機器, 消毒法の変更により血圧は安定したが, 頻回の下痢が出現した. S状結腸に好酸球浸潤を伴う潰瘍性病変を認めたためステロイドを投与したところ下痢は消失した. 透析患者に発症した好酸球性腸炎の本邦報告例は, 本例を含め3例と極めて稀である. 「はじめに」好酸球性腸炎はアレルギー機序により発症し, 消化管への好酸球浸潤のために下痢, 腹痛等の消化器症状を呈する比較的稀な疾患である1). その原因については未...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 65; no. 2; pp. 96 - 97
Main Authors 児島, 辰也, 辻, 修二郎, 沖津, 幹, 安部, 幸一, 水口, 泰宏, 工藤, 幸正, 川口, 実, 平出, 綾子, 吉田, 友彦, 西中川, 秀太, 大場, 信之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2004
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.65.2_96

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Summary:「和文要旨」症例は62歳, 男性, 維持透析中. 脳梗塞のため当院転院後, 透析中に毎回血圧が低下した. 好酸球数の著増を伴っていたことより, 透析機器に起因するアレルギー反応が疑われた. 機器, 消毒法の変更により血圧は安定したが, 頻回の下痢が出現した. S状結腸に好酸球浸潤を伴う潰瘍性病変を認めたためステロイドを投与したところ下痢は消失した. 透析患者に発症した好酸球性腸炎の本邦報告例は, 本例を含め3例と極めて稀である. 「はじめに」好酸球性腸炎はアレルギー機序により発症し, 消化管への好酸球浸潤のために下痢, 腹痛等の消化器症状を呈する比較的稀な疾患である1). その原因については未だ不明な点が多いが, 今回透析に関連して発症したと考えられる稀な1例を経験したので報告する. 「症例」患者:62歳, 男性. 主訴:見当識障害, 失語. 既往歴:41歳より糖尿病. 58歳時, 糖尿病性腎症にて透析導入. 現病歴:平成15年10月19日, 見当識障害と失語が出現したがそのまま経過をみていた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.65.2_96