ビタミンD受容体とキラリティが異なるリガンド間の特異的相互作用: ab initioフラグメント分子軌道計算

ビタミンD受容体(VDR)とキラリティーが異なる2種類のリガンド間の結合親和性が実験により解析され、リガンドのキラリティーの違いにより、VDRへの結合親和性が大きく変化することが見出された。この原因を明らかにするため、VDRと2種類のリガンド間の特異的相互作用を、ab initio フラグメント分子軌道(FMO)計算を用いて調べた。 その結果、リガンド中でキラリティーが異なる部位が、VDRのヒスチジン残基側鎖のイミダゾール環と強く相互作用し、VDRとリガンド間の結合特性性がヒスチジンのプロトン化状態に依存することが明らかになった。...

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Bibliographic Details
Published inChem-Bio Informatics Journal Vol. 18; pp. 32 - 43
Main Authors 栗田, 典之, 小林, 一徹, 上村, みどり, 鈴木, 理恵, 橘高, 敦史, 武田, 涼介, 河合, 健太郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 情報計算化学生物学会(CBI学会) 2018
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ISSN1347-6297
1347-0442
DOI10.1273/cbij.18.32

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Summary:ビタミンD受容体(VDR)とキラリティーが異なる2種類のリガンド間の結合親和性が実験により解析され、リガンドのキラリティーの違いにより、VDRへの結合親和性が大きく変化することが見出された。この原因を明らかにするため、VDRと2種類のリガンド間の特異的相互作用を、ab initio フラグメント分子軌道(FMO)計算を用いて調べた。 その結果、リガンド中でキラリティーが異なる部位が、VDRのヒスチジン残基側鎖のイミダゾール環と強く相互作用し、VDRとリガンド間の結合特性性がヒスチジンのプロトン化状態に依存することが明らかになった。
ISSN:1347-6297
1347-0442
DOI:10.1273/cbij.18.32