耳鳴の擬声語表現に影響を及ぼす要因について 数量化理論による解析

耳鳴の代表的な擬声語である 「キーン」 と 「ジーン」 に影響を及ぼす要因について数量化理論II類を用いて検討を行った。 対象は 「標準耳鳴検査法1993」 を行った耳鳴患者113名とした。 解析の結果, 擬声語の 「キーン」 と 「ジーン」 を判別する強い要因は年齢, 耳鳴音の高低感, 診断名, 罹病期間, ピッチマッチ周波数などであった。 カテゴリーウェイトから, 年齢は50歳未満が 「キーン」 に, 60歳以上は 「ジーン」 に影響し50歳から60歳を境界に影響が変化していた。 耳鳴音の高低感は高い音が 「キーン」 に, 低い音・どちらともいえないは 「ジーン」 に影響していた。 診断名...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 44; no. 4; pp. 193 - 199
Main Authors 白石, 君男, 末田, 尚之, 曽田, 豊二, 加藤, 寿彦, 福與, 和正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2001
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.44.193

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Summary:耳鳴の代表的な擬声語である 「キーン」 と 「ジーン」 に影響を及ぼす要因について数量化理論II類を用いて検討を行った。 対象は 「標準耳鳴検査法1993」 を行った耳鳴患者113名とした。 解析の結果, 擬声語の 「キーン」 と 「ジーン」 を判別する強い要因は年齢, 耳鳴音の高低感, 診断名, 罹病期間, ピッチマッチ周波数などであった。 カテゴリーウェイトから, 年齢は50歳未満が 「キーン」 に, 60歳以上は 「ジーン」 に影響し50歳から60歳を境界に影響が変化していた。 耳鳴音の高低感は高い音が 「キーン」 に, 低い音・どちらともいえないは 「ジーン」 に影響していた。 診断名からは突発性難聴, 内耳性めまい症, 老人性難聴はそれぞれ 「ジーン」 に影響していた。 ピッチマッチ周波数は高音がやや 「キーン」 に, 低音・中音は 「ジーン」 に影響していた。 これらのことから 「キーン」 と 「ジーン」 という擬声語の耳鳴はその成立機序や周波数構成が異なると考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.44.193