比較的早期に診断し得たヒストプラズマによる慢性脳底部髄膜炎の1例

症例は41歳男性.2015年5月からメキシコに赴任.2016年5月右肺結節影を指摘された.6月下旬より頭痛,発熱があり,12月当院を受診した.頭部MRIで小脳,脳幹周囲の髄膜に造影効果を認め,慢性脳底部髄膜炎と診断.メキシコへの渡航歴から輸入真菌症を疑い,血清,髄液ヒストプラズマ抗体陽性からヒストプラズマ症と確定した.アムホテリシンBリポソーム製剤で症状は改善した.国内でのヒストプラズマ中枢神経感染症の報告例は少ない.ヒストプラズマ症は免疫正常者においても発症する.渡航歴のある脳底部髄膜炎では積極的に同症を考える必要がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 58; no. 4; pp. 241 - 244
Main Authors 宮川, 晋治, 堀野, 哲也, 亀井, 克彦, 恩田, 亜沙子, 五味, 拓, 谷口, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2018
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001136

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Summary:症例は41歳男性.2015年5月からメキシコに赴任.2016年5月右肺結節影を指摘された.6月下旬より頭痛,発熱があり,12月当院を受診した.頭部MRIで小脳,脳幹周囲の髄膜に造影効果を認め,慢性脳底部髄膜炎と診断.メキシコへの渡航歴から輸入真菌症を疑い,血清,髄液ヒストプラズマ抗体陽性からヒストプラズマ症と確定した.アムホテリシンBリポソーム製剤で症状は改善した.国内でのヒストプラズマ中枢神経感染症の報告例は少ない.ヒストプラズマ症は免疫正常者においても発症する.渡航歴のある脳底部髄膜炎では積極的に同症を考える必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001136