誤嚥性肺炎を繰り返す神経変性疾患患者における喉頭閉鎖術の効果

誤嚥性肺炎を繰り返す神経変性疾患患者3例に,喉頭レベルでの誤嚥防止術である喉頭閉鎖術を行った.術後,全例で誤嚥性肺炎は起こさなくなった.1例で,術後,気管孔を介した呼吸に変化したため気管粘膜の乾燥が強くなり,気道分泌物が付着し,内視鏡下喀痰吸引や排痰補助装置利用が必要になった.2例では気管カニューレ不要となったが,1例は栄養状態改善に伴い,気管孔が狭窄し,カニューレ留置を必要とした.経口摂取を再開できたのは1例であった.適切な手術時期の選定と術後の最適なケアや長期的な観察が重要であるが,喉頭閉鎖術は誤嚥性肺炎を繰り返す神経変性疾患患者に有効な選択肢である....

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Published in臨床神経学 Vol. 60; no. 3; pp. 193 - 199
Main Authors 望月, 葉子, 竹内, 千仙, 大迫, 美穂, 湊川, みつ子, 三枝, 英人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2020
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001344

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Summary:誤嚥性肺炎を繰り返す神経変性疾患患者3例に,喉頭レベルでの誤嚥防止術である喉頭閉鎖術を行った.術後,全例で誤嚥性肺炎は起こさなくなった.1例で,術後,気管孔を介した呼吸に変化したため気管粘膜の乾燥が強くなり,気道分泌物が付着し,内視鏡下喀痰吸引や排痰補助装置利用が必要になった.2例では気管カニューレ不要となったが,1例は栄養状態改善に伴い,気管孔が狭窄し,カニューレ留置を必要とした.経口摂取を再開できたのは1例であった.適切な手術時期の選定と術後の最適なケアや長期的な観察が重要であるが,喉頭閉鎖術は誤嚥性肺炎を繰り返す神経変性疾患患者に有効な選択肢である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001344