出血性病変が検出されずに広範な脳病変に至ったアミロイドβ関連血管炎の1例
アミロイドβ関連血管炎(amyloid β-related angiitis)では,皮質や皮質下の微小出血や脳表ヘモジデリンの沈着が,脳MRI上の重要な所見である.我々は,治療前にはこれらの所見を呈さなかったアミロイドβ関連血管炎を提示する.症例は75歳女性.右同名半盲と失語で発症し,昏睡に至った.脳MRIでは,びまん性の軟髄膜造影病変と散在性のDWI高信号病変を認めたが,T2*WIでは微小出血は検出されなかった.病理所見からアミロイドβ関連血管炎と診断した.ステロイド治療により画像所見,臨床症状ともに改善した.治療後のsusceptibility-weighted imaging(SWI)で...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 60; no. 3; pp. 187 - 192 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001340 |
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Summary: | アミロイドβ関連血管炎(amyloid β-related angiitis)では,皮質や皮質下の微小出血や脳表ヘモジデリンの沈着が,脳MRI上の重要な所見である.我々は,治療前にはこれらの所見を呈さなかったアミロイドβ関連血管炎を提示する.症例は75歳女性.右同名半盲と失語で発症し,昏睡に至った.脳MRIでは,びまん性の軟髄膜造影病変と散在性のDWI高信号病変を認めたが,T2*WIでは微小出血は検出されなかった.病理所見からアミロイドβ関連血管炎と診断した.ステロイド治療により画像所見,臨床症状ともに改善した.治療後のsusceptibility-weighted imaging(SWI)では多数の微小出血を認めた.アミロイドβ関連血管炎の非侵襲的診断のために,微小出血以外の画像の特徴を集積すべきである. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001340 |