体幹後屈角度と体幹・下肢障害および全身の各関節可動 域の関係:ジュニアアスリートを対象として
本研究では,最大後屈動作時の胸部と腰部の後傾角度を測定し,胸部 - 腰部差と全身の各関節可動域および障害の疑いの有無との関連を検討することを目的とした.対象者は50名のジュニアアスリートであった.体表上に配置した反射マーカーの座標を取得し,体幹後屈角度として胸部角度,腰部角度および胸部 - 腰部差を測定した.整形外科医師がメディカルチェックをおこない,腰部と下腿・足部の障害を確認し,理学療法士が関節可動域を測定した.男女とも胸部 - 腰部差と月齢に有意な相関はなく,性差もみられなかった . また,胸部 - 腰部差は腰部障害の疑いのある対象で低い値であった.全身の各関節可動域と胸部 - 腰部差に...
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Published in | 京都滋賀体育学研究 Vol. 36; pp. 20 - 28 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
京都滋賀体育学会
2020
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ISSN | 2187-7866 2435-8835 |
DOI | 10.34561/kyotoshiga.36.0_20 |
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Summary: | 本研究では,最大後屈動作時の胸部と腰部の後傾角度を測定し,胸部 - 腰部差と全身の各関節可動域および障害の疑いの有無との関連を検討することを目的とした.対象者は50名のジュニアアスリートであった.体表上に配置した反射マーカーの座標を取得し,体幹後屈角度として胸部角度,腰部角度および胸部 - 腰部差を測定した.整形外科医師がメディカルチェックをおこない,腰部と下腿・足部の障害を確認し,理学療法士が関節可動域を測定した.男女とも胸部 - 腰部差と月齢に有意な相関はなく,性差もみられなかった . また,胸部 - 腰部差は腰部障害の疑いのある対象で低い値であった.全身の各関節可動域と胸部 - 腰部差に有意な相関はなかった.これらの結果から,体幹部の後方への柔軟性の評価は,従来の測定では評価できなかった柔軟性を評価できる可能性があり,新規性がある.また,下腿・足部ではなく腰部の障害との関連性を示す点において有用性がある. |
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ISSN: | 2187-7866 2435-8835 |
DOI: | 10.34561/kyotoshiga.36.0_20 |