脳血栓症急性期におけるオザグレルナトリウムとエダラボン併用の治療効果の検討

急性期脳血栓症におけるエダラボン・オザグレル併用とオザグレル単独の治療成績を多施設・前向き・非ランダム化にて比較した.対象は発症24時間以内の脳血栓症で,単独群34例(男/女20/14例,平均72.0±11.5歳),併用群27例(男/女12/15例,平均66.5±10.7歳).患者背景には両群間に差はなかった.神経機能評価スケールのJSS-M(14日後9.9±8.8vs10.7±8.1;28日後7.0±7.5vs7.5±69),Barthel lndex(28日後75.1±28.7vs70.8±268;3カ月後77.1±33.2vs75.4±33.8),およびmRS(28日後2.47±1.58...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 27; no. 2; pp. 283 - 291
Main Authors 田中, 隆一, 小澤, 常徳, 藤井, 幸彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2005
日本脳卒中学会
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.27.283

Cover

More Information
Summary:急性期脳血栓症におけるエダラボン・オザグレル併用とオザグレル単独の治療成績を多施設・前向き・非ランダム化にて比較した.対象は発症24時間以内の脳血栓症で,単独群34例(男/女20/14例,平均72.0±11.5歳),併用群27例(男/女12/15例,平均66.5±10.7歳).患者背景には両群間に差はなかった.神経機能評価スケールのJSS-M(14日後9.9±8.8vs10.7±8.1;28日後7.0±7.5vs7.5±69),Barthel lndex(28日後75.1±28.7vs70.8±268;3カ月後77.1±33.2vs75.4±33.8),およびmRS(28日後2.47±1.58vs2.65±1.55;3カ月後1.96±1.62vs2.50±1.40)では両群間に差はなかった.患者個々の治療前と28日後のJSS-Mの差(-5.4±6.6vs-6.2±4.8)でも差はなかった.28日後と3カ月後のBarthel Indexの差では併用群で改善が認められる傾向があった(3.3±7.5vs13.8±24.3,p=0.06).28日後での良好予後(mRS=0~2)に関するロジスティック回帰分析では,エダラボン併用治療(OR0.647,95%CI0,303~1.381)に関与は認められなかった.急性期脳血栓症におけるエダラボンのオザグレル治療への併用効果は明らかではなかったが,併用患者での1カ月以降での改善の可能性は示唆された.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.27.283