群馬県立小児医療センター新生児科により群馬県外へ搬送された新生児救急症例の検討
【背景・目的】最近, 新生児救急症例を県内の医療機関で収容できず, 県外へ搬送せざるをえない事態が生じている.【対象と方法】1999年1月から2001年12月までの3年間に群馬県内で出生し, 当科で県外に搬送した新生児救急症例9例について検討した.【結果】症例の診断は極低出生体重児が6例, 重症先天性心疾患が2例, 新生児仮死が1例, 搬送距離は47~105km, 搬送時間は40分~1時間20分であった.生存退院した7例中, 超低出生体重児の1例は脳実質内出血をきたし, 神経学的後遺症を認めていた.搬送先で死亡したのは2例で, 緊張性気胸と脳実質内出血を認めた超低出生体重児例と動脈管開存症によ...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 5; pp. 333 - 336 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
2002
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.52.333 |
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Summary: | 【背景・目的】最近, 新生児救急症例を県内の医療機関で収容できず, 県外へ搬送せざるをえない事態が生じている.【対象と方法】1999年1月から2001年12月までの3年間に群馬県内で出生し, 当科で県外に搬送した新生児救急症例9例について検討した.【結果】症例の診断は極低出生体重児が6例, 重症先天性心疾患が2例, 新生児仮死が1例, 搬送距離は47~105km, 搬送時間は40分~1時間20分であった.生存退院した7例中, 超低出生体重児の1例は脳実質内出血をきたし, 神経学的後遺症を認めていた.搬送先で死亡したのは2例で, 緊張性気胸と脳実質内出血を認めた超低出生体重児例と動脈管開存症による肺出血を来した極低出生体重児例であった.【結語】県外へ搬送した症例も重症例が多く, 長距離長時間の搬送が原因と考えられる不幸な転帰をとった症例がみられた.群馬県においても新生児集中治療用病床の増加を含めた周産期医療体制の整備が急務である. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.52.333 |