人工膝関節置換術後に反復する関節内血腫を来した1例

人工膝関節置換術後に反復する関節内血腫を来した1例を経験し,滑膜切除およびインサートの再置換を行い良好な結果を得た.62歳,女性.既往歴として54歳時に大動脈解離,61歳時に胸腹部大動脈解離があり,抗凝固薬を内服していた.2009年11月に右変形性膝関節症に対して右人工膝関節置換術を施行された.術後,右膝痛は改善したが不安定性を認めていた.術後4ケ月より繰り返す関節内血腫を認めたため当科を紹介受診した.関節を切開すると,関節内には脆弱な滑膜様組織を認め,これらを可及的に全て切除し止血操作を十分に行った.また,インサートを12mmから15mmに交換したところ,膝関節の安定性は良好となった.人工膝...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 61; no. 4; pp. 843 - 845
Main Authors 宮岡, 健, 大塚, 洋, 田代, 泰隆, 岩本, 幸英, 松田, 秀一, 岡崎, 賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2012
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.61.843

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Summary:人工膝関節置換術後に反復する関節内血腫を来した1例を経験し,滑膜切除およびインサートの再置換を行い良好な結果を得た.62歳,女性.既往歴として54歳時に大動脈解離,61歳時に胸腹部大動脈解離があり,抗凝固薬を内服していた.2009年11月に右変形性膝関節症に対して右人工膝関節置換術を施行された.術後,右膝痛は改善したが不安定性を認めていた.術後4ケ月より繰り返す関節内血腫を認めたため当科を紹介受診した.関節を切開すると,関節内には脆弱な滑膜様組織を認め,これらを可及的に全て切除し止血操作を十分に行った.また,インサートを12mmから15mmに交換したところ,膝関節の安定性は良好となった.人工膝関節置換術後の関節内血腫では動脈塞栓が有効であるとの報告があるが,本症例では滑膜炎の存在と関節不安定性が寄与していると考え,インサート再置換を行った.術後4ケ月が経過し,症状再燃は認めていない.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.61.843