整形外科術後におけるステリストリップ®およびダーマボンド®の有用性
【背景と目的】整形外科手術では縫合糸やスキンステープルを用いて表皮縫合が行われるが,発赤や水疱などの二次的損傷や抜鉤痛を認めていた.そのため新たな創傷閉鎖方法として,ステリストリップ®(3M)やダーマボンド®(Ethicon, Johnson & Johnson)を導入した.【対象と方法】骨折観血的手術48例,外傷・軟部組織手術4例を対象とした.創処置の原因,皮膚障害の頻度,コストパフォーマンス,患者アンケートによる検討を行った.【結果】創処置の原因は両群とも表皮離開,出血によるものであった.ステリストリップ®の14%,ダーマボンド®の28%に皮膚障害を認めた.ダーマボンド®を使用した...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 61; no. 3; pp. 463 - 467 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2012
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.61.463 |
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Summary: | 【背景と目的】整形外科手術では縫合糸やスキンステープルを用いて表皮縫合が行われるが,発赤や水疱などの二次的損傷や抜鉤痛を認めていた.そのため新たな創傷閉鎖方法として,ステリストリップ®(3M)やダーマボンド®(Ethicon, Johnson & Johnson)を導入した.【対象と方法】骨折観血的手術48例,外傷・軟部組織手術4例を対象とした.創処置の原因,皮膚障害の頻度,コストパフォーマンス,患者アンケートによる検討を行った.【結果】創処置の原因は両群とも表皮離開,出血によるものであった.ステリストリップ®の14%,ダーマボンド®の28%に皮膚障害を認めた.ダーマボンド®を使用した1例に表層感染を認めた.【結語】ステリストリップ®,ダーマボンド®のどちらも抜糸が不要であり,患者の満足度も高いものであった.コストの観点や関節面での使用においては,ステリストリップ®が推奨される. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.61.463 |