唾液および血清中の Histamine 分離定量法について

現在histamineは, 平滑筋の収縮, 毛細血管の拡張, 血管透過性の亢進, 外分泌の促進などの薬理学的特性をもっていることから, 炎症におけるprimary mediator1, 2)と考えられている. このようなhistamineを定量するためには, これを分離抽出する必要があり, 今までに数多くの研究者によりいろいろな分離抽出法3~9)が発表されている. さて, 私どもは, 極めて少量の被検液中のhistamineの分離定量を行うには, どの様な方法が良いかについて, いろいろ検討した結果, 操作は極めて複雑であるが, Anton-Sayre法7)が最も優れていると報告した10)....

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 18; no. 3; pp. 344 - 349
Main Authors 荻本, 増彦, 山田, 弘文, 大森, 恒, 船川, 芳洋, 横地, 洋, 奥村, 和道, 中静, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1976
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.18.344

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Summary:現在histamineは, 平滑筋の収縮, 毛細血管の拡張, 血管透過性の亢進, 外分泌の促進などの薬理学的特性をもっていることから, 炎症におけるprimary mediator1, 2)と考えられている. このようなhistamineを定量するためには, これを分離抽出する必要があり, 今までに数多くの研究者によりいろいろな分離抽出法3~9)が発表されている. さて, 私どもは, 極めて少量の被検液中のhistamineの分離定量を行うには, どの様な方法が良いかについて, いろいろ検討した結果, 操作は極めて複雑であるが, Anton-Sayre法7)が最も優れていると報告した10). その後, Hakansonら9)によって発表された方法は, 操作が極めて簡単であり, かつ2ng/ml histamineの微量定量が可能であるということから, 歯周の健康者と疾患者から採取した唾液および血清中のhistamine量を, Anton-Sayre法とHakanson-Ronnberg法にょって分離定量を行い, 両法の測定値について比較検討したので報告する.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.18.344