表層拡大型早期胃悪性リンパ腫の5例

表層拡大型の早期胃悪性リンパ腫の5例(男性2, 女性3)を報告した. この型の肉眼形態の特徴は, (1)不整形の浅い潰瘍, 瘢痕またはビランが連続性あるいは不連続性に拡がり, (2)潰瘍やその周辺に粗大な顆粒性隆起がcobble-stone様やbull's-eye sign様に存在し, (3)粘膜の色調が白色調に裾色し, 潰瘍面の白苔は乳白色を帯び, (4)病巣が広範囲におよぶ割に胃壁の伸展性がよい, ことが挙げられる. 腫瘤型, 巨大皺壁型や限局する潰瘍決潰型に比べ, RLHをはじめ鑑別すべき病変も多くあり, X線, 内視鏡および生検の面で診断の困難な部類に属する. 自験例でも,...

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Published in医療 Vol. 45; no. 9; pp. 878 - 884
Main Authors 森田, 稔, 平林, 靖士, 石光, 鐵三郎, 神野, 健二, 和田, 俊裕, 中西, 曹輔, 新免, 寛治, 森脇, 昭介, 元井, 信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1991
国立医療学会
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Summary:表層拡大型の早期胃悪性リンパ腫の5例(男性2, 女性3)を報告した. この型の肉眼形態の特徴は, (1)不整形の浅い潰瘍, 瘢痕またはビランが連続性あるいは不連続性に拡がり, (2)潰瘍やその周辺に粗大な顆粒性隆起がcobble-stone様やbull's-eye sign様に存在し, (3)粘膜の色調が白色調に裾色し, 潰瘍面の白苔は乳白色を帯び, (4)病巣が広範囲におよぶ割に胃壁の伸展性がよい, ことが挙げられる. 腫瘤型, 巨大皺壁型や限局する潰瘍決潰型に比べ, RLHをはじめ鑑別すべき病変も多くあり, X線, 内視鏡および生検の面で診断の困難な部類に属する. 自験例でも, 初回における総合診断での確診例は2例で, 1例はビラン性胃炎を伴うIIc型早期癌とし, RLHとして数年以上の長期間経過を追ったのが2例あった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.45.878