カルバマゼピンが著効をした乳児良性てんかんの1例

生後6ヵ月時にけいれん発作発現し, フェノバルビタール(PB), バルプロ酸(VPA), クロナゼパム(CZP)が無効で, カルバマゼピン(CBZ)でコントロールされた経過良好の乳児を報告した. 正常発達で発作間欠期脳波正常, 発作は群発する傾向を有した. 発作型は全身性強直間代けいれんであるが, staringが先行したり, 左右非対称をとることがあり, CBZが著効したことより部分発作が考えられた. 乳児期発症で良性に経過するてんかん群のなかでWatanabeらのbenign partial epilepsy in infancyや, 良性乳児けいれん(福山)との類似性がみられた. 乳児期...

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Published in医療 Vol. 49; no. 3; pp. 256 - 258
Main Authors 鈴木, 典子, 木村, 正彦, 吉野, 邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1995
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.49.256

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Summary:生後6ヵ月時にけいれん発作発現し, フェノバルビタール(PB), バルプロ酸(VPA), クロナゼパム(CZP)が無効で, カルバマゼピン(CBZ)でコントロールされた経過良好の乳児を報告した. 正常発達で発作間欠期脳波正常, 発作は群発する傾向を有した. 発作型は全身性強直間代けいれんであるが, staringが先行したり, 左右非対称をとることがあり, CBZが著効したことより部分発作が考えられた. 乳児期発症で良性に経過するてんかん群のなかでWatanabeらのbenign partial epilepsy in infancyや, 良性乳児けいれん(福山)との類似性がみられた. 乳児期のけいれん性疾患ではPB, VPAがまず使われる傾向があるが, CBZについても第一選択として考慮すべきである.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.49.256