長期経過症例における歯周病ハイリスク患者の検討

歯周疾患が進行しやすい, いわゆるハイリスクな患者群の存在と, これら患者群を特徴づけるハイリスク因子の検討を行った。被験者は初期治療終了後の再評価から5年以上のメインテナンス治療を受けている患者33名とした。初診時, 再評価時および再評価後1年毎に臨床的パラメーターの診査を行った。観察期間中に2 mm以上のプロービング深さの増加がみられ, かつ再評価後5年目のプロービング深さが4mm以上であった部位を悪化部位とし, 各被験者について全被験部位に対する悪化部位の割合を求め, 悪化率とした。悪化率の分布は0~28.7%であった。6名 (18.2%) の患者が10%を越える悪化率を示し, 全悪化部...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 35; no. 2; pp. 409 - 416
Main Authors 大竹, 毅, 北村, 正博, 島袋, 善夫, 島内, 英俊, 岡田, 宏, 三木, 靖夫, 村上, 伸也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1993
日本歯周病学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.35.409

Cover

Loading…
More Information
Summary:歯周疾患が進行しやすい, いわゆるハイリスクな患者群の存在と, これら患者群を特徴づけるハイリスク因子の検討を行った。被験者は初期治療終了後の再評価から5年以上のメインテナンス治療を受けている患者33名とした。初診時, 再評価時および再評価後1年毎に臨床的パラメーターの診査を行った。観察期間中に2 mm以上のプロービング深さの増加がみられ, かつ再評価後5年目のプロービング深さが4mm以上であった部位を悪化部位とし, 各被験者について全被験部位に対する悪化部位の割合を求め, 悪化率とした。悪化率の分布は0~28.7%であった。6名 (18.2%) の患者が10%を越える悪化率を示し, 全悪化部位の57.7%はこの患者群に集中していた。各臨床的パラメーターについて悪化率との関連性を検討したが, 今回の研究ではいずれのパラメーターも悪化率の高い患者に対する予測性は低かった。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.35.409