限局型原発性硬化性胆管炎の1切除例

症例は6 7 歳, 男性, 黄疸を主訴に来院. E R C にて上部胆管に狭窄を認め閉塞性黄疸と診断した.術前診断では胆管癌を疑い,開腹手術を施行したが,術中所見,および術中迅速病理診断にて悪性所見を認めず,上部胆管に極めて限局した炎症性狭窄病変として,胆管切除,胆嚢摘出術,胆管空腸吻合術を施行した.術後の病理組織学的検索にて胆管周囲の線維化と非特異性の慢性炎症を認め,限局型の原発性硬化性胆管炎(primary sclerosingcholangitis,以下PSC)と診断された. 限局型PSCの予後は不明と言われているが,自験例においては,術後4年の現在,再発もなく元気に日常生活を送っている...

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Published in胆道 Vol. 12; no. 4; pp. 350 - 353
Main Authors 柳澤, 暁, 稲垣, 芳則, 石井, 雄二, 長, 剛正, 青木, 照明, 高橋, 恒夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1998
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.12.4_350

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Summary:症例は6 7 歳, 男性, 黄疸を主訴に来院. E R C にて上部胆管に狭窄を認め閉塞性黄疸と診断した.術前診断では胆管癌を疑い,開腹手術を施行したが,術中所見,および術中迅速病理診断にて悪性所見を認めず,上部胆管に極めて限局した炎症性狭窄病変として,胆管切除,胆嚢摘出術,胆管空腸吻合術を施行した.術後の病理組織学的検索にて胆管周囲の線維化と非特異性の慢性炎症を認め,限局型の原発性硬化性胆管炎(primary sclerosingcholangitis,以下PSC)と診断された. 限局型PSCの予後は不明と言われているが,自験例においては,術後4年の現在,再発もなく元気に日常生活を送っている.上部胆管に限局し,胆管癌との鑑別に難渋したPSCの1切除例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.12.4_350