階段状に進行した心原性脳塞栓症の2例

階段状に進行した中大脳動脈領域の心原性脳塞栓症2例を報告した.急性期の頭部MRAまたはCTAでは中大脳動脈にアテローム硬化性病変がうたがわれた.TOAST分類による急性期の病型診断では,症例1は心房細動をみとめたが診断不定であった.症例2はアテローム血栓性脳梗塞に分類された.後日MRAを再検したところ,2例とも中大脳動脈は再開通しており,心疾患の存在も確認され,最終的に心原性脳塞栓症と診断された.心原性脳塞栓症では,階段状に進行することがあり,急性期MRAでアテローム血栓性脳梗塞との鑑別が困難なときは,塞栓源の検索と伴にMRAをfollow-upして再開通を確認する必要がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 48; no. 9; pp. 656 - 661
Main Authors 平野, 恒治, 豊田, 茂郎, 道具, 伸浩, 田口, 芳治, 田中, 耕太郎, 高嶋, 修太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2008
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.48.656

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Summary:階段状に進行した中大脳動脈領域の心原性脳塞栓症2例を報告した.急性期の頭部MRAまたはCTAでは中大脳動脈にアテローム硬化性病変がうたがわれた.TOAST分類による急性期の病型診断では,症例1は心房細動をみとめたが診断不定であった.症例2はアテローム血栓性脳梗塞に分類された.後日MRAを再検したところ,2例とも中大脳動脈は再開通しており,心疾患の存在も確認され,最終的に心原性脳塞栓症と診断された.心原性脳塞栓症では,階段状に進行することがあり,急性期MRAでアテローム血栓性脳梗塞との鑑別が困難なときは,塞栓源の検索と伴にMRAをfollow-upして再開通を確認する必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.48.656