胆嚢小隆起性病変に対する肉眼的形態からみた臨床病理学的研究と外科治療方針に関する研究

20mm以下胆嚢小隆起性病変切除112病変について,肉眼的形態,病理組織,各種画像診断能,外科治療方針などについて検討した.内訳は,胆嚢癌8例(7.1%),コレステロールポリープ87例(77.7%),腺腫9例(8.0%),過形成性ポリープ5例(4.4%),炎症性ポリープ3例(2.7%)であった.大きさ5mm以下で胆嚢癌は1例(1.8%),6~10mmで2例(5.4%),11~15mmで2例(14.3%),16~20mmで3例(75%)に認められた.10mm以下の癌は3例で,全て有茎型のm癌であった.11mm以上の癌は5例で,1例が有茎型(m癌),4例は広基型(亜有茎性,平坦隆起型も含む)で,p...

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Published in胆道 Vol. 10; no. 4; pp. 305 - 311
Main Authors 鈴木, 州美, 二川, 俊二, 別府, 倫兄, 有山, 襄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1996
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.10.4_305

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Summary:20mm以下胆嚢小隆起性病変切除112病変について,肉眼的形態,病理組織,各種画像診断能,外科治療方針などについて検討した.内訳は,胆嚢癌8例(7.1%),コレステロールポリープ87例(77.7%),腺腫9例(8.0%),過形成性ポリープ5例(4.4%),炎症性ポリープ3例(2.7%)であった.大きさ5mm以下で胆嚢癌は1例(1.8%),6~10mmで2例(5.4%),11~15mmで2例(14.3%),16~20mmで3例(75%)に認められた.10mm以下の癌は3例で,全て有茎型のm癌であった.11mm以上の癌は5例で,1例が有茎型(m癌),4例は広基型(亜有茎性,平坦隆起型も含む)で,pm癌1例,ss癌3例であった.CTでの造影効果と血管造影での濃染像を示すものは,癌もしくは腺腫であった.20mm以下で有茎型のものは,癌であってもm癌であり,腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応としてよい.大きさ11mm以上,有茎型以外のもので,CTの造影効果,血管造影の濃染像を認めれば,ss癌の可能性も考慮し開腹術の適応とすべきである.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.10.4_305