喉頭癌の臨床的検討
1986年9月より1997年12月までに当科で加療を行った喉頭扁平上皮癌患者213例を対象に声門癌T1例の放射線治療制御率,遠隔転移例,緊急気管切開術症例を取り上げ,今後の喉頭癌治療上の問題点を検討した. 年齢は40歳から87歳までで,男性は197例,女性は16例であった.部位別には声門癌が120例(56.3%),声門上癌が90例(42.3%),声門下癌が3例(1.4%)であった. 治療は早期例には放射線治療,進行例には喉頭全摘を主体として行い,声門癌T1aにおける放射線制御率は83.8%,T1bで84.6%であった.3年喉頭保存率はT1aで89.1%,T1bで92.3%であった.喉頭癌全体の...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 105; no. 7; pp. 790 - 798 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
2002
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.105.790 |
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Summary: | 1986年9月より1997年12月までに当科で加療を行った喉頭扁平上皮癌患者213例を対象に声門癌T1例の放射線治療制御率,遠隔転移例,緊急気管切開術症例を取り上げ,今後の喉頭癌治療上の問題点を検討した. 年齢は40歳から87歳までで,男性は197例,女性は16例であった.部位別には声門癌が120例(56.3%),声門上癌が90例(42.3%),声門下癌が3例(1.4%)であった. 治療は早期例には放射線治療,進行例には喉頭全摘を主体として行い,声門癌T1aにおける放射線制御率は83.8%,T1bで84.6%であった.3年喉頭保存率はT1aで89.1%,T1bで92.3%であった.喉頭癌全体の5年生存率は88.6%であった.部位別には声門癌97.6%,声門上癌77.5%であった. 遠隔転移は14例に見られ,肺,骨,肝の順に多かった.遠隔転移を来しやすい高危険群はtransglottisを含む声門上癌T3-4,N1,N2b,pN2c例であった. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.105.790 |