高年齢妊娠にともなう妊娠合併症の増加について

近年(10年くらい前より)妊娠年齢は高齢化してきており, 30歳以降の妊娠数が増加している. 一般に高年齢妊娠(35歳以降の妊娠)はハイリスクと考えられているが, このことを証明するために臨床産科情報ネットワーク(COIN)による共同研究を行った. 共同研究7施設へ2000年に分娩した患者の数と年齢分布, 合併症の件数とその年齢分布につき質問状を電子メールで送付し, その回答も電子メールで集計し検討した. その結果, 妊娠中毒症・子宮筋腫合併などの合併症妊娠, 帝王切開による分娩のいずれにおいても対照群よりもそれぞれの合併症群での年齢が高いことが明らかになった. またそれぞれの合併症で年齢別に...

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Published in医療 Vol. 57; no. 7; pp. 476 - 480
Main Authors 橋本, 雅, 箕浦, 茂樹, 中江, 華子, 吉里, 俊幸, 左右, 田裕生, 内藤, 博之, 中村, 幸夫, 後藤, 濬二, 北岡, 有喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 2003
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.57.476

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Summary:近年(10年くらい前より)妊娠年齢は高齢化してきており, 30歳以降の妊娠数が増加している. 一般に高年齢妊娠(35歳以降の妊娠)はハイリスクと考えられているが, このことを証明するために臨床産科情報ネットワーク(COIN)による共同研究を行った. 共同研究7施設へ2000年に分娩した患者の数と年齢分布, 合併症の件数とその年齢分布につき質問状を電子メールで送付し, その回答も電子メールで集計し検討した. その結果, 妊娠中毒症・子宮筋腫合併などの合併症妊娠, 帝王切開による分娩のいずれにおいても対照群よりもそれぞれの合併症群での年齢が高いことが明らかになった. またそれぞれの合併症で年齢別に発生頻度を比較すると, 合併症別に発症頻度の有意に増加する年齢の区切りは明らかでなかったが, 帝王切開では36歳を境にその発現頻度が増加することがわかった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.57.476