抗aquaporin 4抗体が陽性で妊娠中に脊髄炎が再発したシェーグレン症候群の1例

症例は34歳女性である.33歳時(妊娠前)にC2-6椎体レベルの髄内に責任病巣を有する脊髄炎を発症し,シェーグレン症候群を合併した抗AQP4抗体陽性脊髄炎と診断されたが未治療で改善した.34歳時,妊娠22週目にC3に高位レベルを持つ脊髄症を呈し,MRI上C2-Th12椎体レベルの髄内に再発が確認され,ステロイドパルス療法が著効した.妊娠30週目に,上腹部以下の感覚障害と対麻痺が出現し,MRI上Th2-9椎体レベルの髄内に再発をみとめた.ステロイド治療後,妊娠34週に帝王切開で分娩し,プレドニゾロン15mg/日の内服を開始した.以後再発はみられていない.妊娠中の抗AQP4抗体陽性症例における再発...

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Published in臨床神経学 Vol. 50; no. 1; pp. 27 - 30
Main Authors 坪井, 義夫, 山田, 達夫, 津川, 潤, 井上, 展聡, 馬場, 康彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2010
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.50.27

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Summary:症例は34歳女性である.33歳時(妊娠前)にC2-6椎体レベルの髄内に責任病巣を有する脊髄炎を発症し,シェーグレン症候群を合併した抗AQP4抗体陽性脊髄炎と診断されたが未治療で改善した.34歳時,妊娠22週目にC3に高位レベルを持つ脊髄症を呈し,MRI上C2-Th12椎体レベルの髄内に再発が確認され,ステロイドパルス療法が著効した.妊娠30週目に,上腹部以下の感覚障害と対麻痺が出現し,MRI上Th2-9椎体レベルの髄内に再発をみとめた.ステロイド治療後,妊娠34週に帝王切開で分娩し,プレドニゾロン15mg/日の内服を開始した.以後再発はみられていない.妊娠中の抗AQP4抗体陽性症例における再発頻度については報告が少なく,本症例では妊娠により病態を悪化させた可能性が示唆され興味深い症例と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.50.27