S状結腸軸捻転症手術待機期間中の経肛門イレウス管留置の意義─当科で腹腔鏡下手術を行った2症例を踏まえて
S状結腸軸捻転症に対して,内視鏡的整復後に経肛門イレウス管を留置し,待機的に安全に腹腔鏡下手術を施行し得た2症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例1:83歳,男性.腹痛を主訴に受診.S状結腸軸捻転症と診断し,内視鏡的整復を行った.整復2日後に再発したため,内視鏡的整復を行い,経肛門イレウス管を留置し,6日後に腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した.術後経過に問題なく退院した.症例2:89歳,女性.S状結腸軸捻転症の診断で内視鏡的整復を行ったが,整復3日後に再発したため内視鏡的整復後経肛門イレウス管を留置した.4日後に腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行し,術後経過に問題なく退院した...
Saved in:
Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 67; no. 3; pp. 193 - 197 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2014
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.67.193 |
Cover
Summary: | S状結腸軸捻転症に対して,内視鏡的整復後に経肛門イレウス管を留置し,待機的に安全に腹腔鏡下手術を施行し得た2症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例1:83歳,男性.腹痛を主訴に受診.S状結腸軸捻転症と診断し,内視鏡的整復を行った.整復2日後に再発したため,内視鏡的整復を行い,経肛門イレウス管を留置し,6日後に腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した.術後経過に問題なく退院した.症例2:89歳,女性.S状結腸軸捻転症の診断で内視鏡的整復を行ったが,整復3日後に再発したため内視鏡的整復後経肛門イレウス管を留置した.4日後に腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行し,術後経過に問題なく退院した.大腸軸捻転症の手術待機期間中に経肛門イレウス管を留置することは,腸管減圧による浮腫軽減と共に捻転再発が防止でき,十分な術前評価の後に安全に腹腔鏡下手術を行う上で有用と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.67.193 |