胆嚢腺内分泌細胞癌の1例
症例は65歳, 女性. 心窩部痛にて当科受診. 腹部超音波検査で胆嚢腫瘤を指摘され,精査加療目的に入院となった.超音波内視鏡では,低エコー腫瘤と最外層の凹凸不整像および胆嚢頸部のリンパ節腫大を認めた. 腹部CTでは腫瘤に造影効果を認め, 腹部血管造影でも濃染像を認めた.ERCPに引き続いて行った胆嚢内挿管からの細胞診は,class Vであった.以上より,深達度ssの胆嚢癌と診断し,拡大胆嚢摘出術を施行した.組織学的には腫瘤の大部分は内分泌細胞癌であり,ごく一部に高分化型腺癌を認め,内分泌細胞癌と連続していた. また, 内分泌細胞癌および腺癌は, 各種免疫組織染色,p53染色,p53変異パターン...
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Published in | 胆道 Vol. 14; no. 2; pp. 135 - 140 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2000
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando1987.14.2_135 |
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Summary: | 症例は65歳, 女性. 心窩部痛にて当科受診. 腹部超音波検査で胆嚢腫瘤を指摘され,精査加療目的に入院となった.超音波内視鏡では,低エコー腫瘤と最外層の凹凸不整像および胆嚢頸部のリンパ節腫大を認めた. 腹部CTでは腫瘤に造影効果を認め, 腹部血管造影でも濃染像を認めた.ERCPに引き続いて行った胆嚢内挿管からの細胞診は,class Vであった.以上より,深達度ssの胆嚢癌と診断し,拡大胆嚢摘出術を施行した.組織学的には腫瘤の大部分は内分泌細胞癌であり,ごく一部に高分化型腺癌を認め,内分泌細胞癌と連続していた. また, 内分泌細胞癌および腺癌は, 各種免疫組織染色,p53染色,p53変異パターンにおいて同一の結果を示した.以上より,内分泌細胞癌および腺癌のmonoclonalityが示唆され,本症例においては組織学的には先行した腺癌から内分泌細胞癌が発生したと考えられた. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.14.2_135 |