FOLFIRI導入後に腎機能障害が契機となり高アンモニア血症をきたした再発大腸癌に対してIRIS療法に変更し得た1例

再発大腸癌に対するFOLFIRI+Bevacizumab療法により高アンモニア血症をきたした症例を経験したので報告する.症例は50歳,男性.直腸癌に対し,骨盤内臓全摘術を施行.術後3年目に骨盤内局所再発をきたしたため,FOLFIRI+Bevacizumab療法を開始とした.治療開始3日目に意識障害が出現した.頭部CTでは異常所見は認められず,血液検査にて血中アンモニア異常高値を認めたため,5-FUによる高アンモニア血症が原因の意識障害と診断した.分岐鎖アミノ酸製剤投与にて翌日には症状および血中アンモニア値も改善した.その後,IRIS+Bevacizumab療法に変更としたが,高アンモニア血症を...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 68; no. 8; pp. 534 - 537
Main Authors 寺西, 宣央, 吉谷, 新一郎, 白, 京訓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2015
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Summary:再発大腸癌に対するFOLFIRI+Bevacizumab療法により高アンモニア血症をきたした症例を経験したので報告する.症例は50歳,男性.直腸癌に対し,骨盤内臓全摘術を施行.術後3年目に骨盤内局所再発をきたしたため,FOLFIRI+Bevacizumab療法を開始とした.治療開始3日目に意識障害が出現した.頭部CTでは異常所見は認められず,血液検査にて血中アンモニア異常高値を認めたため,5-FUによる高アンモニア血症が原因の意識障害と診断した.分岐鎖アミノ酸製剤投与にて翌日には症状および血中アンモニア値も改善した.その後,IRIS+Bevacizumab療法に変更としたが,高アンモニア血症を認めることなく,継続中である.今回,臨床上まれである5-FUによる高アンモニア血症を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.68.534