変異型p53 ヒト小細胞肺癌に対する Nedaplatin と放射線の比較

p53変異型のヒト腫瘍に対するnedaplatinの抗腫瘍効果をin vivoで調べ, 放射線と比較した.変異型p53を有する可移植性ヒト小細胞肺癌を, ヌードマウスの大腿皮下に移植し, nedaplatin投与後のp53蛋白発現, アポトーシス誘導, 腫瘍増殖抑制を検索した.その結果, nedaplatinによるp53蛋白発現やアポトーシスの増加は明らかでなかったが, 増殖抑制が認められ, 照射との比較ではnedaplatin 32mg/kg投与の方が1Gy照射より強かった.nedaplatinの抗腫瘍効果ではp53依存性アポトーシス以外の機序も重要で, p53変異型の腫瘍に対する有用性も示...

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Published inThe KITAKANTO Medical Journal Vol. 49; no. 6; pp. 421 - 424
Main Authors 中村, 勇司, 長谷川, 正俊, 早川, 佳代子, 松浦, 正名, 那須, 佐知子, 山川, 通隆, 早川, 和重, 三橋, 紀夫, 新部, 英男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 1999
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Summary:p53変異型のヒト腫瘍に対するnedaplatinの抗腫瘍効果をin vivoで調べ, 放射線と比較した.変異型p53を有する可移植性ヒト小細胞肺癌を, ヌードマウスの大腿皮下に移植し, nedaplatin投与後のp53蛋白発現, アポトーシス誘導, 腫瘍増殖抑制を検索した.その結果, nedaplatinによるp53蛋白発現やアポトーシスの増加は明らかでなかったが, 増殖抑制が認められ, 照射との比較ではnedaplatin 32mg/kg投与の方が1Gy照射より強かった.nedaplatinの抗腫瘍効果ではp53依存性アポトーシス以外の機序も重要で, p53変異型の腫瘍に対する有用性も示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.49.421