多孔性金属錯体のナノ空間を利用した精密高分子合成

金属イオンと有機配位子との自己集合反応により,骨格内部に規則的なナノ細孔を有する多孔性金属錯体(MOF)が形成される.コンポーネントの組合せにより,MOFの内部空間のサイズ,形状,表面状態などはÅレベルで精密に設計を行うことが可能である.このようなテーラーメイド型ナノ空間を高分子合成における“場”として用いることで,溶液やバルク重合では困難もしくは不可能な高分子を得ることができる.本報では,MOFのナノ空間の特徴を利用することで,種々の重合反応(ラジカル重合や酸化重合など)において,高分子の一次構造・集積状態の精密制御を可能にでき,多くの機能性材料を生み出す新しい方法論となり得ることを述べる....

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Bibliographic Details
Published in高分子論文集 Vol. 72; no. 5; pp. 191 - 198
Main Author 植村, 卓史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2015
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2014-0080

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Summary:金属イオンと有機配位子との自己集合反応により,骨格内部に規則的なナノ細孔を有する多孔性金属錯体(MOF)が形成される.コンポーネントの組合せにより,MOFの内部空間のサイズ,形状,表面状態などはÅレベルで精密に設計を行うことが可能である.このようなテーラーメイド型ナノ空間を高分子合成における“場”として用いることで,溶液やバルク重合では困難もしくは不可能な高分子を得ることができる.本報では,MOFのナノ空間の特徴を利用することで,種々の重合反応(ラジカル重合や酸化重合など)において,高分子の一次構造・集積状態の精密制御を可能にでき,多くの機能性材料を生み出す新しい方法論となり得ることを述べる.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2014-0080