肺転移後に続発した直腸癌甲状腺転移の2例

症例1は75歳,女性.直腸癌(RS)に対して,2005年5月に前方切除術施行.肺転移に対して,2年1ヵ月後に胸腔鏡下左下葉部分切除術施行.嗄声,右顎下部腫脹を主訴に,2013年7月に当院耳鼻科受診.8月に甲状腺全摘術,両側頚部郭清術,気管切開術を施行.病理診断は直腸癌の転移であった.症例2は71歳,女性.直腸癌(Rb)に対して,2014年6月に腹腔鏡下低位前方切除術施行.肺転移に対して,1年1ヵ月後に胸腔鏡下右上葉部分切除術施行.2016年6月のCTで甲状腺右葉に腫瘤像を認めた.8月に甲状腺全摘術,両側頚部郭清術を施行.病理診断は直腸癌の転移であった.いずれも肺転移術後に甲状腺転移を認めた.直...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 74; no. 6; pp. 379 - 383
Main Authors 米永, 吉邦, 伊東, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.74.379

Cover

More Information
Summary:症例1は75歳,女性.直腸癌(RS)に対して,2005年5月に前方切除術施行.肺転移に対して,2年1ヵ月後に胸腔鏡下左下葉部分切除術施行.嗄声,右顎下部腫脹を主訴に,2013年7月に当院耳鼻科受診.8月に甲状腺全摘術,両側頚部郭清術,気管切開術を施行.病理診断は直腸癌の転移であった.症例2は71歳,女性.直腸癌(Rb)に対して,2014年6月に腹腔鏡下低位前方切除術施行.肺転移に対して,1年1ヵ月後に胸腔鏡下右上葉部分切除術施行.2016年6月のCTで甲状腺右葉に腫瘤像を認めた.8月に甲状腺全摘術,両側頚部郭清術を施行.病理診断は直腸癌の転移であった.いずれも肺転移術後に甲状腺転移を認めた.直腸癌の肺転移後に甲状腺転移をきたしうるので,肺転移出現後のフォローアップは甲状腺を含む頚部から骨盤部までのCTを施行する必要があると考えられた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.74.379